部位・症例解説
ロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドロームとは
運動器の障害のために、「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下した状態をロコモティブシンドローム(ロコモ)といいます。進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。
運動器…身体を自由に動かす骨・関節・筋肉などで構成されています。どれか1つ悪くても身体はうまく動きません
骨や筋肉のピークは20〜30代です。まだ自分は大丈夫だと思っていませんか?
現在ロコモの人口は予備軍を含めて4700万人。これは高血圧や糖尿病などと比べても多い数字となっています。
ロコモの三大原因疾患
- 骨粗鬆症(骨密度が低いと転倒し骨折のリスクが高い)
- 変形性膝関節症(軟骨がすり減り慢性的な痛みの原因となる)
- 脊柱管狭窄症(加齢の変化で背骨の神経の圧迫が起こり足腰にしびれが出る)
ロコモに関係する要因や症状は、加齢とともに少しずつ進行してきます。進行すると要支援・要介護のリスクが上がります。
運動器の障害は寝たきりにつながります!介護が必要になった原因の第1位は、転倒による骨折・関節疾患などの運動器の障害です。
また平均寿命と健康寿命の差も問題となっています。健康に日常生活を送るために、早めの対策が必要です。
やってみようロコチェック
ロコモONLINEにてロコチェックができます。ぜひチェックしてみてください。
思い当たる症状はあったでしょうか?もしかして、あなたはもうロコモかもしれません。
ロコモ度テストで調べてみましょう!
立ち上がりテスト(脚力を調べる)
40cmの台から、まずは両脚で反動をつけずに立ち上がります。両脚でできたら片脚で。反対側の脚でも同様にテストしてください。
どちらか一方の片脚で40cmの高さから立ち上がれない場合、移動機能の低下が始まっている状態です。
2ステップテスト(歩幅を調べる)
大きく2ステップ踏み出します。倒れないように気をつけてください。2ステップ値の算出は下記の式で出せます。
2ステップ値 = 2歩幅[cm] ÷ 身長[cm]
2ステップ値が1.3未満の場合、移動機能の低下が始まっている状態です。
ロコモ25
ロコモONLINEのロコモ25でテストができます。「この1ヶ月の間に、からだの痛みや日常生活で困難なことはありませんでしたか?」など25の質問に答えて判定します。
ロコモを防ぐ運動、ロコトレ
片脚立ち
バランス能力をつけるロコトレです。左右1分ずつ1日3セット行います。
スクワット
下肢筋力をつけるロコトレです。1日5〜6回を3セット行います。つま先は30度開きます。膝がつま先より前に出ないように気をつけてください。
ヒールレイズ
ふくらはぎの筋力をつけるロコトレです。10〜20回を1日2〜3セット行います。
フロントランジ
下肢の柔軟性・バランス能力・筋力をつけるロコトレです。5〜10回を1日2〜3セット行います。
毎日の生活に「ちょっとだけ+」の習慣を!
- 自転車や徒歩で通勤する
- 歩幅を広くして速く歩く
- 階段を使う
- 家事はキビキビ行う
- TVを見ながらロコトレ、ストレッチ
- いつもより少しだけ遠くに歩いて買い物に行く
- 休日に家族や友人と外出を楽しむ
- 人が集まる場に積極的に参加する
運動習慣をつけましょう!続けることが肝心です。いつまでも自分の足で歩き続けるために、元気な足腰を!
当院ではロコモアドバイスドクター在中。ロコモ予防の体操教室なども開催しています。お気軽にご来院・ご相談ください。