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骨密度検査は何歳から受けるべき?検査方法と早期発見の大切さを整形外科医が解説
「骨密度検査って、何歳から受けた方がいいんですか?」
診察の中で、患者さんからよくいただく質問です。
骨粗鬆症というと、70代、80代になってから心配する病気だと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、骨密度が低下し始めるのは、もっと早い時期です。
特に女性は、50歳前後の閉経をきっかけに骨密度が低下しやすくなります。
私は、女性には閉経を迎える50歳前後で、一度骨密度検査を受けてほしいと思っています。
今回は、骨密度検査とはどんな検査なのか、なぜ早く受けた方がよいのかについて、お話ししたいと思います。
この記事でわかること
⚫︎ 骨密度検査は、何歳から受けるとよいのか
⚫︎ DXA法による骨密度検査の流れ(時間や痛み)
⚫︎ 検査結果に出てくる「YAM値」の見方
⚫︎ 骨密度が低くなりやすい人の特徴
⚫︎ 早く見つけることが、将来の骨折予防につながる理由
骨粗鬆症は、思っている以上に身近な病気です
日本には、骨粗鬆症の方が約1,590万人いると推計されています。決して珍しい病気ではない、ということです。
特に女性は年齢とともに骨粗鬆症が増え、70代では約3人に1人、80代では約2人に1人が骨粗鬆症といわれています。
ところが、実際に治療を受けている方は、推計で20〜30%程度にとどまっています。
なぜ、これほど多くの方が治療につながっていないのでしょうか。
大きな理由の一つは、骨粗鬆症には自覚症状がほとんどないことです。骨密度が低くなっても、通常は痛みがありません。そのため、転んで骨折して初めて、自分の骨が弱くなっていたことに気づく方もいらっしゃいます。
だからこそ、骨折する前に骨の状態を知っておくことが大切なのです。
骨密度検査は何歳から?女性は50歳前後が一つの目安です
骨密度は、20代頃までに増加し、その後はしばらく比較的安定しています。
しかし、女性の場合は閉経前後から急激に低下しやすくなります。これは、骨を守る働きをしている女性ホルモンが減少するためです。
閉経する年齢や骨密度の減り方には個人差がありますが、50歳前後は骨の健康を考える大切な時期です。一度検査を受けておけば、自分の骨密度がどのくらいあるのかを知ることができます。
男性や、骨折したことがある方は?
男性も加齢とともに骨密度が低下します。特に70歳以上の方は、骨密度検査を考えていただきたい年齢です。
ただし、骨折歴がある方などは、男女とも年齢に関係なく検査が必要になることがあります。
骨密度検査って、どんな検査?
「検査」と聞くと、痛いのではないか、時間がかかるのではないかと心配される方もいらっしゃいます。
でも、安心してください。骨密度検査は、とても簡単な検査です。
森整形外科では、DXA(デキサ)法という方法で骨密度を測定しています。少量のX線を使って、腰の骨や脚の付け根の骨密度を調べる方法です。
検査台に横になっていただき、約10分。基本的には、じっと横になっているだけで検査が終わります。注射もありませんし、痛くもかゆくもありません。
DXA法は、骨粗鬆症の診断にも使われる、精度の高い検査方法です。
健診の「かかとの検査」との違い
健診などでは、かかとに超音波を当てて骨の状態を調べることもあります。ただし、超音波検査で異常が疑われた場合には、DXA法などによる詳しい検査が必要になります。
検査結果の「YAM値」って何?
骨密度検査を受けると、「YAM値」という数字が出てきます。少し難しそうな言葉ですが、考え方は簡単です。
骨密度が十分に高い若い成人の平均を100%としたとき、自分の骨密度がどのくらいあるかを表した数字です。
例えば、YAM値が85%なら、若い成人の平均的な骨密度を100としたとき、自分は85ということです。
一般的には、次のような目安があります。
⚫︎ 80%以上:正常範囲
⚫︎ 70%より高く80%未満:骨密度が低下している状態
⚫︎ 70%以下:骨粗鬆症が疑われる状態
ただし、実際の診断では、過去の骨折歴なども考慮します。YAM値が70%を超えていても、骨粗鬆症と診断される場合があります。
大切なのは、この数字を知ることで、今後どのように骨を守っていけばよいか考えられることです。
骨密度が低くなりやすい人は?
骨密度の低下には、年齢や閉経だけでなく、さまざまな要因が関係しています。例えば、次のような方は注意が必要です。
⚫︎ 20歳頃までに、あまり運動をしてこなかった
⚫︎ 家族、特にお母さんに骨粗鬆症や骨折の経験がある
⚫︎ ステロイド薬を使用している、または使用したことがある
⚫︎ 痩せている
⚫︎ 軽く転んだだけで骨折したことがある
⚫︎ 閉経が早かった
こうした項目に当てはまる方は、50歳前後という年齢にこだわらず、一度骨密度を調べておくとよいと思います。
早く見つけることが、将来の骨折予防につながります
診察で骨粗鬆症とお伝えすると、患者さんからよく聞かれることがあります。
「先生、飲み薬ですか?」
みなさん、できれば飲み薬で治療したいと思われますよね。
実際、骨粗鬆症の治療には飲み薬もありますし、骨密度がかなり低下していたり、骨折の危険性が高かったりする場合には、注射による治療が必要になることもあります。
だからこそ、できるだけ早い段階で骨密度の低下に気づいてほしいのです。
まだ骨粗鬆症になっていない段階であれば、運動や食事などの生活習慣を見直すことで、その後の骨密度低下を抑えることが期待できます。また、早めに骨粗鬆症が見つかれば、飲み薬などで治療を始められる場合もあります。
大切なのは、骨折してから初めて気づくのではなく、早い段階で自分の骨の状態を知り、必要な対策を始めることです。
骨密度検査は、骨が弱くなってから受けるだけの検査ではありません。骨折する前に、自分の骨を守るための検査でもあるのです。
骨密度検査について、よくある質問
骨密度検査は何歳から受ければいいですか?
女性は、閉経を迎える50歳前後で一度受けていただくのが一つの目安です。閉経前後から、骨密度が急激に低下しやすくなるためです。男性は、特に70歳以上の方に検査を考えていただきたいと思います。骨折歴がある方などは、男女とも年齢に関係なく検査が必要になることがあります。
骨密度検査は痛いですか? 時間はどのくらいかかりますか?
当院で行っているDXA法の検査は、検査台に横になっていただき、約10分で終わります。基本的にはじっと横になっているだけで、注射もなく、痛みもありません。
健診のかかとの検査と、DXA法は何が違いますか?
健診などでは、かかとに超音波を当てて骨の状態を調べることがあります。DXA法は、少量のX線で腰の骨や脚の付け根の骨密度を調べる方法で、骨粗鬆症の診断にも使われる精度の高い検査です。超音波検査で異常が疑われた場合には、DXA法などによる詳しい検査が必要になります。
YAM値が70%を超えていれば、骨粗鬆症ではないのですか?
YAM値は大切な目安ですが、実際の診断では過去の骨折歴なども考慮します。そのため、YAM値が70%を超えていても、骨粗鬆症と診断される場合があります。
いつまでも自分の足で歩くために
骨粗鬆症は、骨折するまで気づきにくい病気です。そして、高齢になってからの骨折は、歩く力や生活の質を大きく低下させてしまいます。
私が大切にしているのは、骨折した方を治療することだけではありません。できることなら、骨折する前に防ぎたい。そのための第一歩が、自分の骨密度を知ることだと思っています。
女性は50歳前後、閉経を迎える頃に、一度骨密度を測ってみてください。
検査は10分程度。痛みもありません。そのわずかな時間が、10年後、20年後の健康を守るきっかけになるかもしれません。
いつまでも自分の足で歩くために。まずは、ご自身の骨の状態を知ることから始めてみませんか。
森整形外科でもDXA法による骨密度検査を行っていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
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この記事の執筆者
執筆者のプロフィール
松村 成毅(まつむら なるき)
医療法人モンキーポッド 森整形外科 院長
愛知県一宮市生まれ
・整形外科専門医
・日本整形外科学会認定スポーツ医
・日本整形外科学会認定
・リハビリテーション医
・日本整形外科学会認定リウマチ医
・ロコモアドバイスドクター