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夏休みの子どもの怪我|「ただの捻挫(ねんざ)」と思っていませんか?子どもの足首のねんざで大切なこと
夏休みになると、部活動やスポーツの大会、合宿、外遊びなど、子どもたちが体を動かす機会が増えます。
その中で、整形外科を受診することが多い子どもの怪我のひとつが、足首の捻挫(ねんざ)です。
診察室でも、「ねんざくらいなら大丈夫ですよね?」「骨折じゃないなら、すぐスポーツに戻れますよね?」と言われることがあります。
たしかに「ねんざ」という言葉には、骨折と比べると軽い怪我というイメージがあるかもしれません。しかし、特に子どもの足首のねんざは、軽く考えてほしくない怪我のひとつです。
この記事でわかること
⚫︎ そもそも足首の「ねんざ」とは、何を傷めている怪我なのか
⚫︎ 子どものねんざが、大人と同じではない理由
⚫︎ 受診したほうがよいサイン
⚫︎ なぜ、子どものねんざでギプス固定をすすめることがあるのか
⚫︎ スポーツ復帰の考え方と、ねんざ直後の応急処置
そもそも足首の「ねんざ」とは?
足首をひねったときに傷つくのは、主に関節を支えている靱帯(じんたい)です。
靱帯は、骨と骨をつなぎ、足首がグラグラしないように支える役割をしています。強くひねることで、この靱帯が伸びたり、一部が切れたりします。
つまり、ねんざは単に「ちょっとひねっただけ」ではありません。足首を支える大切な組織を傷めている怪我なのです。
子どものねんざは、大人のねんざと同じではありません
子どもの骨には、まだ成長途中の成長線(成長軟骨)があります。
そのため、大人なら靱帯を傷めるようなひねり方でも、子どもでは成長線を傷めたり、骨折を起こしたりすることがあります。
「歩けるから大丈夫」「少し腫れているだけだから様子を見よう」と思っていたら、実は骨を傷めていた、ということもあります。
こんなときは、一度受診を
特に、次のような場合は、一度整形外科で確認することをおすすめします。
⚫︎ 足首の腫れが強い
⚫︎ 体重をかけると痛い
⚫︎ くるぶしの周りを押すと強く痛む
⚫︎ 内出血がある
なぜ、子どものねんざをギプスで固定するの?
ここは、外来でもよく説明するところです。
私は、子どもで足首がしっかり腫れるようなねんざでは、状態に応じて1〜2週間程度のギプス固定をおすすめすることがあります。
すると、「骨折じゃないのに、ギプスが必要なんですか?」「試合があるので、できるだけ早く復帰させたいです」と言われることもあります。
早くスポーツに戻りたい気持ちは、とてもよく分かります。ただ、私が大切にしたいのは、今の試合だけではなく、その子のこれからの足首です。
傷ついた靱帯が十分に治らないままスポーツへ復帰すると、足首の安定性が戻らず、何度もねんざを繰り返すようになることがあります。いわゆる「ねんざ癖」です。
子どもの頃の「ねんざ癖」が、将来の足首に影響することも
ねんざした足首を十分に治さないまま使い続けると、不安定さが残り、ねんざを繰り返すことがあります。そして、その状態が長く続けば、足首の関節に負担がかかり続けます。
将来的には関節の軟骨が傷み、変形性足関節症となって、痛みに悩まされることもあります。
子どもの頃のねんざが、その場だけの問題で終わらないことがある。だから私は、子どものねんざほど、最初の治療を大切にしたいと考えています。
スポーツ復帰は「早く戻る」より「きちんと戻る」
スポーツを頑張っている子ほど、「いつから走れますか?」「次の試合には出られますか?」と聞いてきます。親御さんも、できれば試合に出してあげたいと思うでしょう。私も、できるだけ早くスポーツに戻してあげたいと思っています。
でも、「痛くなくなった」=「治った」ではありません。
痛みだけでなく、腫れや足首の安定性、動きなどを確認しながら、復帰の時期を考えることが大切です。
目の前の一試合を急ぐことで、その後何度もねんざを繰り返してしまっては、結果的に長くスポーツから離れることにもなりかねません。
早く戻ることより、きちんと治して戻ること。それが、長くスポーツを楽しむことにつながります。
夏休みに子どもが足首をねんざしたら
足首をひねった直後は、無理に歩かせず、まずは安静にしてください。
腫れている場合は、タオルなどで包んだ保冷剤や氷で冷やし、できれば足を少し高くして休ませます。
そして、腫れや痛みがある場合は、「ねんざだから大丈夫」と決めつけず、一度整形外科で診てもらうことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
子どもが歩けているなら、受診しなくても大丈夫ですか?
歩けていても、成長線を傷めていたり、骨折していることがあります。腫れが強い、体重をかけると痛い、くるぶしの周りを押すと強く痛む、内出血がある——こうした場合は、一度受診をおすすめします。
骨折していないのに、なぜギプスで固定するのですか?
傷ついた靱帯が十分に治らないままスポーツに戻ると、足首の安定性が戻らず、ねんざを繰り返す「ねんざ癖」につながることがあるためです。子どもで足首がしっかり腫れるようなねんざでは、状態に応じて1〜2週間程度の固定をおすすめすることがあります。
痛みがなくなれば、スポーツに復帰していいですか?
「痛くなくなった」=「治った」ではありません。痛みだけでなく、腫れ・足首の安定性・動きなどを確認しながら復帰時期を判断します。急いで戻ることで、かえって長くスポーツを離れることにもなりかねません。
ねんざした直後、家では何をすればいいですか?
無理に歩かせず、まず安静に。腫れている場合はタオルなどで包んだ保冷剤や氷で冷やし、足を少し高くして休ませてください。そのうえで、腫れや痛みがあれば整形外科でご相談ください。
これからも安心して走れる足首に
子どもたちは、これから何年、何十年と、その足で歩き、走っていきます。
だからこそ、子どもの足首のねんざは、「今、痛みが取れればいい」ではなく、「これからも安心して走れる足首に治す」ことまで考えたい。
私たちは、子どもたちが大好きなスポーツを長く続けられるように、その先まで考えて怪我の治療をしていきたいと思っています。
「ねんざくらいで受診していいのかな」と迷う段階でも、まったく問題ありません。お子さんの足首が心配なときは、お気軽にご相談ください。ご予約は、下のボタンからどうぞ。
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この記事の執筆者
執筆者のプロフィール
松村 成毅(まつむら なるき)
医療法人モンキーポッド 森整形外科 院長
愛知県一宮市生まれ
・整形外科専門医
・日本整形外科学会認定スポーツ医
・日本整形外科学会認定
・リハビリテーション医
・日本整形外科学会認定リウマチ医
・ロコモアドバイスドクター