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子どものひざの痛み、成長痛と「オスグッド病」の違い|夏休みに増えるスポーツ障害を整形外科医が解説
ひざのお皿の少し下だけが痛み、押すとはっきり痛む場合は、成長痛ではなくオスグッド病の可能性があります。一般的な成長痛は夜間に足全体が痛むことが多く、痛む場所がはっきりしません。運動のたびに痛む、腫れや熱感がある、数週間たっても改善しないときは、一度整形外科の受診をおすすめします。
夏休みは、部活動やスポーツ少年団の練習、大会や合宿などで、子どもたちの運動量が一気に増える季節です。
この時期になると整形外科では、
「最近、ひざが痛いと言うようになったんです。」
「成長痛だから様子を見ていました。」
というご相談が増えてきます。
もちろん、本当に成長痛の場合もあります。しかしその中には、「オスグッド病」という成長期特有のスポーツ障害が隠れていることがあります。
オスグッド病とは?
オスグッド病は、10〜15歳頃の成長期のお子さんに多く見られるスポーツ障害です。
特に、次のようなジャンプやダッシュ、キックを繰り返すスポーツで多く見られます。
・サッカー
・バスケットボール
・バレーボール
・陸上競技
・野球
症状は「ひざのお皿の少し下が痛い」というのが特徴です。運動中や運動後に痛みが強くなり、押すとはっきり痛むことが多く、骨が少し出っ張ってくることもあります。
なぜ起こるのでしょう?
成長期は骨が急激に伸びる一方で、筋肉や腱はそれほど早く伸びません。
そのため、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が硬くなり、ひざのお皿の下にある骨を強く引っ張る状態になります。そこへ毎日の練習が加わることで、骨の付着部に炎症が起こり、痛みが出てしまうのです。
つまり、「頑張りすぎたから」ではなく、「成長期だから起こりやすい」スポーツ障害なのです。
成長期の骨の伸び方については、骨端線(こったんせん)だけでは分からない成長の話もあわせてご覧ください。
「成長痛」とはどう違うのでしょう?
見分けるポイントを整理すると、次のようになります。
| 一般的な成長痛 | オスグッド病 | |
| 痛む場所 | 足全体など、はっきりしないことが多い | ひざのお皿の少し下に限られる |
| 痛む時間 | 夜間に痛むことが多い | 運動中・運動後に強くなる |
| 押したとき | はっきりした痛みは出にくい | 押すとはっきり痛む |
| 運動との関係 | 関係がはっきりしないことが多い | 運動するたびに痛みが出る |
| 見た目の変化 | 特にない | 骨が出っ張ってくることがある |
「成長痛だと思っていたらオスグッド病だった」ということも少なくありません。判断に迷う場合は、自己判断されずに一度ご相談ください。
我慢して運動を続けても大丈夫?
「大会が近いから。」「レギュラーだから休めない。」
そんな理由で、痛みを我慢してしまうお子さんも多くいます。
しかし、無理を続けることで次のようなことが起こる場合があります。
・痛みが長引く
・走り方やフォームが崩れ、腰や足首など他の部位にも負担がかかる
・結果として、練習や試合を休まなければならなくなる
早めに適切な対応をすることで、スポーツを続けながら改善できるケースも多くあります。
ご家庭でできること
オスグッド病の予防や悪化防止には、日頃のケアも大切です。
・練習前後のストレッチ(特に太ももの前)
・練習後のアイシング
・十分な睡眠とバランスの良い食事
・痛みが強い日は無理をしない
ストレッチは、やり方によって効果が変わります。詳しくはストレッチはやり方で効果が変わりますをご覧ください。
そして何より大切なのは、「痛い」と言いやすい環境をつくることです。
子どもは、「休みたいと思われたくない」「試合に出たい」という気持ちから、痛みを我慢してしまうことがあります。周りの大人がそのサインに気づいてあげることも、とても大切です。
こんな時は整形外科へ
次のような症状がある場合は、一度整形外科を受診することをおすすめします。
・ひざのお皿の下を押すと強く痛む
・運動のたびに痛みが出る
・腫れや熱感がある
・歩くのも痛い
・数週間たっても改善しない
当院では、お子さんの状態に合わせて、次のような対応を行っています。
・ストレッチ指導
・運動量の調整についてのご相談
・テーピングやサポーターのアドバイス
・必要に応じた検査・治療
よくあるご質問
成長痛とオスグッド病の違いは何ですか?
痛む場所と痛み方が異なります。一般的な成長痛は夜間に足全体が痛むことが多く、場所がはっきりしません。オスグッド病はひざのお皿の少し下に限って痛み、押すとはっきり痛み、運動のたびに痛みが強くなります。判断が難しい場合もあるため、迷われたら受診をおすすめします。
オスグッド病は自然に治りますか?
成長が落ち着くとともに症状が軽くなることもありますが、痛みを我慢して運動を続けると長引いたり、他の部位に負担がかかることがあります。回復までの経過には個人差がありますので、診察のうえで判断させていただきます。
運動は完全に休まないといけませんか?
必ずしも完全に休む必要があるとは限りません。痛みの程度や時期によって、運動量の調整やストレッチで対応しながら続けられる場合もあります。お子さんの状態を診たうえでご相談します。
治るまでどれくらいかかりますか?
症状の程度や成長の段階によって幅があり、一律にお答えすることはできません。早めに対応を始めるほど、スポーツを続けながら改善しやすい傾向があります。
何科を受診すればよいですか?
骨や筋肉、腱の問題ですので、整形外科を受診してください。お子さんのスポーツによるひざの痛みは整形外科で対応します。
森整形外科から伝えたいこと
子どもたちは、まだまだ成長の途中です。
痛みは、「頑張りが足りない」というサインではなく、「体が成長しているから、少し休ませてほしい」という体からのメッセージなのかもしれません。
「レギュラーだから休めない。」「試合が近いから我慢する。」
そんな気持ちもよく分かります。
でも、本当に大切なのは、今日の1試合ではなく、これから何年も大好きなスポーツを続けられることです。
成長期の運動習慣は、その後の体づくりにもつながっていきます。
私たちは、痛みだけを見るのではなく、その先にある「スポーツを続けたい」という子どもたちの気持ちまで支えていきたいと考えています。
お子さんがこれからも笑顔でスポーツを楽しみ、元気に成長していけるよう、私たちも全力でサポートします。
「これって成長痛かな?」と迷われたら、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
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