整形外科/リハビリテーション科/リウマチ科

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院長 松村成毅のブログです

「骨粗鬆症の薬は副作用が怖いから飲みたくない」── 診察室でも、このようなご相談をよくいただきます。

テレビやインターネットでは副作用が大きく取り上げられることが多く、不安になるお気持ちは、とてもよく分かります。

しかし一方で、薬を飲まなかったことで骨折し、その後歩けなくなってしまった方を、私たちは数多く診てきました。

だからこそ今日は、骨粗鬆症の薬の「本当の目的」についてお話ししたいと思います。


骨粗鬆症の薬の副作用

この記事でわかること

  • 骨粗鬆症の治療で、本当に大切なこと
  • 薬や注射には、どんな種類があるのか
  • 副作用(顎骨壊死など)の実際の頻度と、その考え方
  • 「副作用のリスク」と「治療しないリスク」をどう比べるか

骨粗鬆症で本当に怖いのは「薬」ではありません


骨粗鬆症治療しないリスク

骨粗鬆症は「痛みのない病気」とも呼ばれます。そのため「まだ大丈夫」「薬を飲まなくても困っていない」と思ってしまう方も少なくありません。

しかし、骨が弱くなった状態では、次のような日常生活の動作でも、骨折してしまうことがあります。

  • 少し転んだだけ
  • 重い荷物を持っただけ
  • 段差でつまずいただけ

特に注意が必要なのが、背骨(脊椎)や股関節(大腿骨近位部)の骨折です。実は、要介護になる原因の約4人に1人は、骨や関節、筋肉などの「運動器」の障害だといわれており、なかでも骨折は、要介護につながる大きな原因の一つです。

一度骨折すると、歩く機会が減り、筋力や体力が低下して、これまで当たり前にできていた生活が難しくなってしまうことがあります。

だからこそ、骨粗鬆症の治療は、骨密度を上げることが目的ではありません。骨折を防ぎ、いつまでも自分の足で歩ける人生を守ること。それが本当の目的なのです。

骨粗鬆症の薬は、一人ひとりに合わせて選びます


骨粗鬆症の薬は選べます

骨粗鬆症の治療には、次のようにさまざまな選択肢があり、それぞれ効果や特徴、治療の頻度が異なります。

  • 飲み薬
  • 半年に1回の注射
  • 骨を作る注射
  • 点滴

「毎日薬を飲むのが苦手」「胃が弱い」「骨折のリスクが高い」など、一人ひとりの状態や生活スタイルによって、適した治療は変わります。

大切なのは、「どの薬が一番良いか」ではなく、「あなたに合った治療を選ぶこと」です。私たちは患者さんのお話を伺いながら、一緒に最適な治療方法を考えていきます。

よくある質問(FAQ)

Q.副作用と骨折、どちらのリスクが大きいのでしょうか?

A.これは、とても大切な考え方です。どんな薬にも副作用はありますが、「副作用があるから使わない」という判断が、必ずしも最善とは限りません。大切なのは、「副作用のリスク」と「治療を受けないリスク」の両方を比べて考えることです。

骨粗鬆症の薬は副作用ばかりが注目されがちですが、実際には副作用の多くは非常にまれで、定期的な診察や適切な使い方によって予防・早期発見ができます。一方で骨折は、一度起こると歩くことが難しくなったり、要介護につながったりする可能性があります。

私たちは、薬を無理に勧めたいわけではありません。メリットとデメリットを正しく理解したうえで、ご自身が納得して治療を選んでいただきたいと考えています。

Q.「顎の骨が溶ける」と聞いて、怖いです

A.これは「顎骨壊死(がっこつえし)」という副作用のことです。確かに存在しますが、発生頻度は約0.01〜0.04%(1万人に1〜4人程度)と非常にまれです。

さらに、歯科治療を受ける前に主治医へ相談したり、日頃から口腔ケアを行ったりすることで、リスクをより減らすことができます。必要以上に怖がるのではなく、正しい知識を持って治療を受けることが大切です。

Q.長く飲むと骨が弱くなると聞きました

A.これは「非定型大腿骨骨折」という副作用のことです。こちらも非常にまれですが、5年以上服用している方では、定期的な評価が必要になります。

当院では定期的に骨密度などを確認しながら、必要に応じて休薬が必要かどうかも、一緒に考えていきます。

Q.薬は自己判断でやめてもいいですか?

自己判断で中止することは、おすすめできません。特に一部の注射薬では、中止後に骨折リスクが急激に高くなることがあります。

副作用が心配な場合や、飲み忘れが続く場合も、一人で悩まず担当医へご相談ください。

私たちが伝えたいこと


骨粗鬆症の薬には、副作用がまったくないわけではありません。

骨粗鬆症の薬には、副作用がまったくないわけではありません。しかし、その多くは、次のことが分かっています。

  • 非常にまれであること
  • 正しく使えば予防できること
  • 定期的な診察で早く気づけること

一方で骨折は、一度起きてしまうと、その後の人生を大きく変えてしまう可能性があります。

だから私たちは、「副作用が怖いから治療しない」ではなく、「副作用も理解したうえで、骨折を防ぐために治療する」という考え方を大切にしています。

最後に ―「歩ける幸せを、ずっと」


森整形外科の松村院長

私たちが目指しているのは、骨密度の数字を良くすることではありません。その先にある、「いつまでも自分の足で歩ける人生」を守ることです。それが、森整形外科が大切にしている想いです。

もし、

  • 骨粗鬆症と言われたけれど、薬を始められない
  • 副作用が心配
  • 今の治療で、本当にいいのか不安

そんなお気持ちがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。一人ひとりに合った治療方法を一緒に考えながら、「歩ける幸せを、ずっと」── そのお手伝いができれば幸いです。

「受診したほうがいいのかな」と迷う段階でも、まったく問題ありません。骨密度の検査や、今の治療についてのご相談も承っています。
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この記事の執筆者

執筆者のプロフィール

松村 成毅(まつむら なるき)

医療法人モンキーポッド 森整形外科 院長

愛知県一宮市生まれ

・整形外科専門医
・日本整形外科学会認定スポーツ医
・日本整形外科学会認定
・リハビリテーション医
・日本整形外科学会認定リウマチ医
・ロコモアドバイスドクター

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