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梅雨の関節痛はなぜ起こる? 天気痛で膝・腰が痛む理由と対策を整形外科医が解説
「雨が降る前になると膝が痛む」「天気が悪い日は腰が重だるい」「昔ケガをした場所がうずく」── そんな経験はありませんか?
外来でも、この時期になるとよくご相談を受けます。「年のせいかな」「気のせいかな」と思われる方も多いのですが、実はこれは医学的にも説明できる現象です。
この記事では、梅雨の時期に関節が痛くなりやすい理由と、ご自宅でできる対策について、整形外科医がわかりやすくお話しします。
この記事でわかること
- 天気の変化で関節が痛む「天気痛」とは何か
- 梅雨に膝・腰・首肩が痛くなりやすい理由
- 自宅でできる4つの対策(温め・運動・耳ほぐし・気圧アプリ)
- 整形外科を受診したほうがよいサイン
天気の変化で関節が痛むのは「気のせい」ではありません
近年、天気の変化によって起こる痛みは「天気痛」と呼ばれるようになりました。頭痛や肩こりがよく知られていますが、実は関節の痛みも、天気の影響を受けることがあります。
具体的には、次のような症状が、天気によって左右されることがあります。
- 膝の痛み
- 腰痛
- 首や肩の痛み
- 神経痛
- 昔のケガの痛み
なぜ梅雨になると関節が痛くなるの?
梅雨に関節が痛みやすくなる大きな理由のひとつが、気圧の変化です。
気圧とは、空気が私たちの体を押している力のことです。梅雨の時期は低気圧が続くため、この圧力が弱くなります。すると、関節の中や周囲の組織がわずかに膨らみ、神経を刺激して、痛み・重だるさ・違和感として感じることがあるのです。
また近年の研究では、耳の奥にある「内耳」が気圧の変化を感知し、自律神経に影響を与えることも、天気痛に関係していると考えられています。
痛みが出やすい場所
もともと炎症や変性がある関節ほど、天気の影響を受けやすい傾向があります。特に、次のような場所は影響を受けやすいといわれています。
- 膝:変形性膝関節症や半月板損傷がある方は、特に影響を受けやすくなります。
- 腰・股関節:腰椎や股関節まわりの筋肉や神経が、敏感に反応します。
- 首・肩:肩こりや首の痛みが強くなる方も少なくありません。
- 昔ケガをした場所:骨折や捻挫をした場所が、梅雨になると痛むという方もいらっしゃいます。
「痛いから動かない」は逆効果
雨の日はつらいので、どうしても動きたくなくなります。しかし、動かさずにいることが、かえって痛みを長引かせてしまうことがあります。
具体的には、次のような悪循環に入ってしまうことがあります。
痛いから動かさない → 筋力が落ちる → 関節が硬くなる → さらに痛くなる
この悪循環を防ぐために、無理は禁物ですが、次のような軽い運動を続けることをおすすめします。
- 軽い散歩
- ストレッチ
- 椅子に座ってできる体操
梅雨の関節痛を和らげる4つのポイント
ご自宅でできる対策を、4つにまとめました。どれも今日から始められるものばかりです。
① 体を冷やさない
雨の日は、思った以上に体が冷えています。冷えは血流を悪くし、筋肉を硬くするため、痛みにつながります。湯船につかる、サポーターを使う、薄手の上着を羽織る、といった工夫だけでも違います。
② 軽く体を動かす
長時間同じ姿勢でいると、関節に負担がかかります。「少し動く」を意識するだけで血流が改善し、こわばりがやわらぎます。
③ 耳をほぐす
気圧の変化を感じ取っているのは、耳の奥にある内耳です。耳を軽く引っ張ったり、ゆっくり回したりするだけでも、症状が軽くなる方がいます。
④ 気圧アプリを活用する
最近は、気圧の変化を知らせてくれるアプリもあります。「明日は気圧が下がりそうだな」と事前に分かるだけでも、早めに休む、無理な予定を入れない、といった備えができます。
こんなときは整形外科へ
天気痛は、確かに存在します。しかし「天気が悪いから痛い」だけでなく、その背景に別の病気が隠れていることもあります。たとえば、変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症、関節の炎症、神経の障害などです。
特に、次のような場合は、一度検査を受けることをおすすめします。
- 痛みがどんどん強くなっている
- 関節が腫れている
- 歩くのがつらい
- 夜も痛む
よくある質問(FAQ)
天気が悪いと関節が痛むのは、気のせいですか?
気のせいではありません。気圧や気候の変化によって、関節の痛みが実際に強くなることがあり、医学的にも説明できる現象です。
雨の日は、安静にしていたほうがいいですか?
痛いからと動かさずにいると、筋力が落ちて関節が硬くなり、かえって痛みが強くなる悪循環に入ることがあります。無理のない範囲で、軽い散歩やストレッチを続けるのがおすすめです。
天気痛を和らげるために、自宅でできることはありますか?
体を冷やさないこと、こまめに軽く体を動かすこと、耳を軽くほぐすこと、気圧アプリで変化に備えることが役立ちます。
どんなときに受診したほうがいいですか?
痛みがどんどん強くなる、関節が腫れている、歩くのがつらい、夜も痛む、といった場合は、変形性膝関節症や腰部脊柱管狭窄症などが隠れていることもあるため、早めの受診をおすすめします。
まとめ ―「雨の日だから」と、我慢しないで
梅雨の関節痛は、「気のせい」でも「年のせい」でもありません。気圧や気候の変化によって、実際に症状が強くなることがあります。
だからこそ、「雨の日だから仕方ない」と我慢し続ける必要はありません。体を温めること、適度に体を動かすこと、そして必要に応じて治療を受けること。こうした積み重ねが、痛みを和らげる助けになります。
梅雨の時期は、どうしても気分も体も重くなりがちです。そんなときこそ無理をせず、ご自身の体の声に耳を傾けてみてください。そして、もし痛みが続くようでしたら、一人で我慢せず、お気軽にご相談ください。
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