整形外科/リハビリテーション科/リウマチ科

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院長 松村成毅のブログです

こんにちは。
江南市、岩倉市、稲沢市、北名古屋市、清須市などの近隣にあります、愛知県一宮市の森整形外科(整形外科・リハビリテーション科)院長の松村成毅です。

今回は
「大腿骨近位部骨折の本当の怖さ」
についてお話しさせていただきます。

大腿骨近位部骨折は「寿命を左右する骨折」

高齢者が転倒して太ももの付け根を折る骨折。
それが「大腿骨近位部骨折」です。

この骨折は、単なる骨折ではありません。
その後の人生を大きく変えてしまう骨折です。

日本のデータでは
・1年以内の死亡率 約10%
・合併症があると20〜30%
・5年以内に約50%が死亡
という報告もあります。

つまりこの骨折は、命にも関わる骨折なのです。

特に男性は予後が悪く、女性の約2〜3倍死亡率が高いというデータもあります。

半分の人が元の生活に戻れません

さらに問題なのは、歩く能力の低下です。

骨折前と同じ生活レベルに戻れる人は
約50%

つまり、半分の人は元に戻れません。

例えば
・独歩 → 杖歩行
・杖歩行 → 歩行器
・歩行器 → 車椅子

このように歩行能力が1段階下がる人が非常に多いのです。

一度歩けなくなると
・活動量低下
・筋力低下
・認知機能低下
・寝たきり
という悪循環に入ります。

これが「骨折が人生を変える」と言われる理由です。

手術すれば元通り、ではありません

「手術すれば治るんですよね?」

そう思われる方が多いですが、実際はそう簡単ではありません。

手術後に1ヶ月時点では
99%の人がリハビリを行いますが
半年後まで継続できている人は
わずか22%

多くの人が途中でリハビリをやめてしまいます。

すると
・筋力が戻らない
・歩行能力低下
・転倒しやすい
・再骨折
という流れになります。

一度折ると、また折れます

さらに重要なのが再骨折の問題です。

一度大腿骨近位部骨折をすると
・1年以内に再骨折 約11%
・2年以内 約18.6%
かなり高い確率で再び骨折します。

しかも
・反対側の大腿骨
・背骨の圧迫骨折
が増えます。

つまり1回の骨折が連鎖するということです。

実は、骨粗鬆症治療が十分に行われていません

ここが最も大きな問題です。

骨折した時点で骨粗鬆症治療を受けている人はわずか約23%
1年後でも約47%

つまり半分以上の人が治療されていません。
これでは再骨折が防げません。

骨は、何歳からでも応えてくれます

ここまで読むと、大腿骨近位部骨折はとても怖い骨折だと感じたかもしれません。
でも、希望もあります。

骨は、適切な対策をすれば、何歳からでも応えてくれる組織です。
・栄養
・運動
・骨粗鬆症治療
これらを行うことで、骨折のリスクは大きく下げることができます。

ただし、一度折れてしまった後では、失った時間は取り戻せません。
だからこそ、折れる前の対策が何より大切なのです。

今日からできる「自分への投資」

まずは、自分の骨の現在地を知ることです。

骨密度検査は5分程度で終わる簡単な検査です。
これだけで
・骨折リスク
・将来の歩行能力
・治療の必要性
を知ることができます。
言い換えれば、10年後の自分を予測する検査です。

骨は毎日作り替えられています。
・カルシウム
・ビタミンD
・たんぱく質
これらを摂ることは、将来の自分への仕送りのようなものです。

私たちが目指していること

私たちが目指しているのは「骨折を治すこと」ではなく骨折させないことです。
そしていつまでも自分の足で歩ける人生を守ること。

それが本当の意味での健康だと考えています。

最近よく転ぶ
背中が曲がってきたと言われる
身長が縮んだ
ご両親どちらかでも骨折したことがある

こういった方はぜひ一度ご相談ください。
骨折は防ぐことができます。



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