整形外科/リハビリテーション科/リウマチ科

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院長 松村成毅のブログです

こんにちは。江南市、岩倉市、稲沢市、北名古屋市、清須市などの近隣にあります、愛知県 一宮市の森整形外科(整形外科・リハビリテーション科)院長の松村成毅です。今回は「骨端線(こったんせん)と身体の成長」についてわかりやすくお話しさせていただきます。

「先生、まだ背は伸びますか?」中学生のお子さんがケガで受診された際に、保護者の方からよく聞かれる質問のひとつです。

レントゲン写真を見て「骨端線(こったんせん)は残っていますね」とお伝えすると「では、あと何センチ伸びますか?」と続けて質問されることもあります。私も子供を持つ身として、お子さんの身体の成長が気になる気持ちはよくわかります。

さて、実は「骨端線がある=あと○cm伸びる」と単純に言えるものではありません。

骨端線(こったんせん)とは

骨端線とは、骨が伸びるための“成長の余地”が残っている部分です。

子どもの骨は
・ 骨の端(骨端)
・ 骨の中央(骨幹)
の間に、軟骨成分の多い部分があり、ここが成長とともに少しずつ骨に置き換わっていきます。この部分がレントゲンでは線のように見えるため
「骨端線(こったんせん)」と呼ばれています。


骨端線の説明図

骨端線が残っていれば、必ず伸びますか?

結論から言うと「伸びる可能性はあるけれど、どれくらい伸びるかは分からない」というのが正直な答えです。理由は大きく3つあります。

(1)骨端線の“有無”と“勢い”は別もの
骨端線が見えていても、
・ これからぐんと伸びる段階なのか
・ そろそろ成長が終わりに近づいているのか
についてはレントゲン1枚では判断できません。

同じように骨端線が残っていても
・ 半年で一気に伸びる子
・ ほとんど伸びない子
がいるのが現実です。

(2)身長の伸びは「全身の成長の結果」
身長の伸びは下記のような、たくさんの要素が重なった結果です。
・ 遺伝
・ 思春期のタイミング
・ ホルモン分泌
・ 栄養状態
・ 睡眠
・ 運動量

骨端線は「条件のひとつが残っている」というサインにすぎません。

(3) 年齢・第二次性徴の影響が大きい
特に中学生は、
・ 声変わりが始まっているか
・ 体つきが大きく変わってきているか
といった思春期の進み具合が、身長の伸びと強く関係します。

思春期が後から来るタイプの子は、中学卒業後〜高校で伸びることも少なくありません。

「まだ伸びますか?」と聞かれたときの本音

整形外科医としては「骨端線は残っています」「ただ、どれくらい伸びるかは正確には分かりません」とお伝えすることが、一番誠実な答えだと考えています。無理に期待を持たせることも、早くから諦めさせることも、どちらも本意ではありません。

今できる大切なこと

身長を「操作」することはできませんが、成長しやすい環境を整えることはできます。
・ しっかり食べる
・ しっかり眠る
・ 体を動かす
つまり「食事・栄養」「睡眠」「運動」はすべて、骨にも成長にもプラスになります。

・「あと何cm伸びるか」は予測できない
・成長は骨端線だけでなく、全身のバランスで決まる
「骨端線がある=あと○cm伸びる」ではなく「骨端線が残っている=まだ伸びる可能性はある」と言えます。

身長のことは、焦らず比べすぎず、今の身体を大切にすることが何より大切です。不安なことがあれば、遠慮なくご相談ください。


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