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日本人は座りすぎ
こんにちは。江南市、岩倉市、稲沢市、北名古屋市、清須市などの近隣にあります、愛知県 一宮市の森整形外科(整形外科・リハビリテーション科)の松村成毅です。今回はウォーキングの健康効果について、お話しさせていただきます。
クリニックにも「運動不足」「体力の衰え」に不安を抱える方が多く来院されます。そんな方にこそおすすめしたいのが、有酸素運動の代表格「ウォーキング」です。ウォーキングは特別な道具もいらず、年齢や体力に関係なく始められる理想的な運動です。
日本人は世界一の「座りすぎ民族」

Am J Prev Med 2011;41:228-235.より作成
驚くべきことに、日本は世界で最も「座っている時間」が長い国の一つだという調査結果があります(シドニー大学などによる調査|2011年)。調査によると私たち日本人は1日約7時間も座っており、10時間以上座っている人も少なくありません。
長時間座ることによるリスク
長時間座り続けることは、私たちが思っている以上に健康リスクを高めます。
例えば…
・座る時間が2時間増えるごとに死亡リスクが15%上昇
・糖尿病のある方は死亡リスク27%増
・高血圧で20%、脂質異常症で18%、3つ全てあると42%も死亡リスク増
…というように、ただ「座っているだけ」が命に関わるリスクにまでつながってしまうのです。
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厚生労働省「健康日本21(第三次)」より
厚生労働省は「健康日本21(第三次)」において次の歩数を目標としています。
20〜64歳(男女)→ 8,000歩
65歳以上(男女) → 6,000歩
しかし、日々患者さんを診察している私の立場から言わせていただくと、年齢よりも体力レベルを基準とすることが大切です。65歳以上でも体力に自信のある方は、1日8,000歩を目指してよいと思います。海外の研究でも、1日8,000歩で死亡率がぐっと下がることが明らかになっています。
ウォーキングで得られるたくさんの健康効果
ウォーキングは、ただの“運動”ではありません。たくさんの病気の予防や改善につながります。
▼ 生活習慣病の予防・改善
肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症などに効果的。特に内臓脂肪が気になる方には最適です。
▼ 血糖値を安定させるには「食後15分ウォーク」
食後すぐに15分歩くだけで、血糖値の上昇を抑えます。
▼ うつや自律神経の乱れにも効果あり
ウォーキング中の深い呼吸は、自律神経を整え、ストレスや不安をやわらげます。
▼ 認知症予防にも
週に2回以上の軽い運動で、認知症リスクが半減。
▼ 肺炎や感染症にも強くなる
軽い運動は免疫力を高め、肺炎や風邪予防にもつながります。
▼ がんの予防にも
13種類ものがんのリスクを下げる可能性があるという報告もあります。
継続が鍵
無理なく気軽に「続ける」ことが大切です。「今日はたくさん歩いたぞ!」と頑張りすぎるより「毎日20分だけでも続ける」ことが何よりも大切です。歩くことで、筋力や骨密度の維持はもちろん、心や脳も健やかになります。転倒や骨折予防、関節の健康維持にウォーキングは非常に有効です。ぜひ日常に「歩くこと」を取り入れて、元気な体と心を目指していきましょう!
※ウォーキングは熱中症対策、水分補給、段差などに気をつけて無理のないよう行いましょう。