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「後医は名医?」医療は“病名の早押しクイズ”ではありません
こんにちは。江南市、岩倉市、稲沢市、北名古屋市、清須市などの近隣にあります、愛知県 一宮市の森整形外科(整形外科・リハビリテーション科)院長の松村成毅です。今回は「後医は名医?」という言葉とともに、診断や病名、そして私たち森整形外科の考えなどをお話ししたいと思います。
「後医は名医」という言葉があります。“あとから診る医師のほうが「経過」という情報を持っている分、診断がつきやすい”という意味です。医療の世界では知られている言葉ですが、患者さんはあまり耳にしないかもしれません。
医療は、時間とともに見えてくる
たとえば「腰の痛み」について、初診の段階で次のようなことは珍しくありません。
・まだ炎症がはっきりしていない
・画像検査に明確な異常が映らない
・症状が典型的でない
しかし、数日〜数週間経ってから症状の特徴が見えてくることもあります。つまり、あとから診る医師は、その「時間」という情報を持っています。だから診断がつきやすいのです。決して前の医師が間違っていたということではありません。
病名とは何か
椎間板は年齢とともに変性します。画像検査に「ヘルニア様所見(ヘルニアの疑いのある状態)」があっても、症状と一致しないことは珍しくありません。
実際、次のどちらも存在します。
・ヘルニアがあっても痛みのない方
・画像検査は異常がなくても強く痛む方
それでも患者さんにとって「ヘルニアですね」という言葉はとても分かりやすいことでしょう。原因がはっきりしたように感じ、安心につながることもあります。
医療者が説明の中でそうした言葉を使うことはあります。しかし、病名がつくことと最初の診療が誤っていたことは、同義ではありません。
後から診る医師は、“時間”という情報を持っています。これは大きなアドバンテージです。医療は”その瞬間ごとの最善を積み重ねる営み”です。
私たちが大切にしていること
私たち森整形外科は、分からないものを無理に断定するよりも、必要な経過を見ながら誠実に向き合う医療を大切にしています。
必要以上に不安をあおらず、必要のない検査や処置を増やさない。そして症状が続く時は、さらにしっかりと向き合う。
医療は“病名の早押しクイズ”ではありません。
最後に
診断がつくことがゴールではありません。医療はあとから振り返ればはっきり見えることもある世界です。
けれど私たちは、その瞬間ごとの最善を誠実に積み重ねていきたいと考えています。
私たち森整形外科が目指しているのは、診断を競うことではなく、人生を支える「本当の健康」を育てる組織であることです。
そのために、その時々で最も妥当だと考えられる選択を、一緒に考え、積み重ねていきたいと思っています。