整形外科/リハビリテーション科/リウマチ科

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院長 松村成毅のブログです

痛み止めの使い方

愛知県一宮市にある整形外科・リハビリテーション科 森整形外科 院長の松村成毅です。「痛み止めは癖になりませんか?」「飲み続けると効かなくなりませんか?」外来をしていると、度々このような質問を受けます。そのような認識から、痛み止めを飲まないようにしている人もいるようです。しかし、一般的な痛み止めは、飲み続けることで癖になったり、効かなくなったりすることはありません。では、なぜこのような誤解が生じているのでしょうか?その理由は、痛み止めの誤った使い方にあると思います。


痛み止めにはさまざまな種類があり、それぞれ強弱や作用が異なります。ここでは、病院や薬局で一般的に処方される「ロキソニン」や「ボルタレン」などの「非ステロイド性抗炎症薬(以下、NSAIDs)」について、正しい使い方を説明します。突然の痛みは、その大半が炎症を伴って痛みを感じさせる「プロスタグランジン(以下、PG)」を産出します。NSAIDsは、そのPGの生成を抑えることで、痛みや炎症に作用します。

そこで重要なのが、飲むタイミングです。PGが大量に生成されてからでは、痛み止めが効きにくくなります。PGが大量に生成される前、つまり「そろそろ痛くなりそうだ」というタイミングで飲むのが効果的です。また、手術直後や怪我をした直後など、しばらく痛みが続くと予想される場合は、時間を決めて定期的に飲むのが効果的です。血液中に存在する痛み止めの成分が一定になり、痛みをコントロールしやすくなるためです。

そもそも「痛み」とはどのようなものなのでしょうか?
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「痛みは感覚ではなく感情である」と表現しています。つまり痛みは、各人が過去に経験した脳への学習によってあらわれる"感情"と捉えることができます。そのため「痛いけど痛み止めは怖いから我慢しておこう」などと痛みを感じたままにしておくと、脳が痛みの持続を学習し、痛みの原因である炎症が治まっても、脳が痛いと思い込む状況を作り出してしまいます。その結果、本来なら短期間で治癒するはずの痛みが、慢性化してしまうことにもなりかねません。負の連鎖を断ち切るには『痛みが和らぐ時間を脳に学習させる』ことが大切です。

日本人は痛みに強い傾向があります。また、我慢することを美徳とする風潮もありますが、そもそも痛みは体の炎症を脳に伝える重要なサインです。そのサインを無視し続けると、痛み止めが効かなくなる可能性もあります。そこで、痛み止めを正しく使用し、できるだけ痛みを緩和させるようにしましょう。NSAIDs以外にも、痛み止めにはさまざまなものがあります。どの成分が合うかは人それぞれなので、まずはご相談ください。


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