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アキレス腱断裂について解説します
アキレス腱断裂について解説します
愛知県一宮市にある整形外科・リハビリテーション科 森整形外科 院長の松村成毅です。お笑いコンビ『ナインティナイン』岡村隆史さんが、アキレス腱断裂というニュースが流れました。番組収録中に跳び箱に向けて走り、ジャンプで踏み切った瞬間にふくらはぎに痛みを感じ、病院で検査した結果、アキレス腱断裂と診断されたようです。
本日はアキレス腱断裂について解説します。
アキレス腱断裂
岡村さんは現在53歳。アキレス腱断裂は、30〜50代のスポーツ愛好家に多く、腱の柔軟性低下が原因であると言われています。踏み込んだ時やターンをした時、階段を踏み外した時に起こりやすいとされています。受傷時には「ふくらはぎを誰かに蹴られた」と感じることが多く、直後は痛みで動けなくても、しばらくすると歩行は可能になります。足首を動かすことはできますが、つま先立ちができなくなるのが特徴です。
治療は『手術療法』とギプスを用いて治療する『保存療法』があります。どちらの治療を選択しても、受傷半年後の成績におおきな差はありませんが、治った後も積極的に運動を再開したい方に関しては、手術療法を選択された方が競技復帰までの期間が短くなるという報告もあり、手術をおすすめすることが多いです。また最近では『手術療法』に『再生医療』を組み合わせることで、さらに競技復帰を早めることができるという論文もあります。
ニュースの記事によると、岡村さんは『手術療法』を選択されたようです。一般的な経過は治療開始後4ヶ月でジョギングなどの軽い運動が可能になり、6ヶ月で全力でのスポーツ活動が可能になります。
私は小学生の時から常にスポーツを楽しんできました。全力で身体を動かすのは爽快かつ楽しかったからです。やがて医師になり職業柄さまざまな怪我を診る機会が増えるにつれ、30代中頃からは急に負荷のかかる激しいスポーツを全力ですることはなくなりました…。というのも、私と同学年の患者さんが「子供の縄跳びに付き合っていてアキレス腱を切った」というエピソードに衝撃を受けたからです。これは誰にでも起きうることであり、年齢とともに腱の柔軟性は低下していることを改めて痛感させられました。
健康寿命を延ばすために運動は必須です。自分の運動能力を過信せず、年齢に応じた運動を継続することが大事だと思います。
ナインティナイン 岡村隆史さんの快復と復帰を願っております。