整形外科/リハビリテーション科/リウマチ科
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院長 松村成毅のブログです

「よくがんばりました」

愛知県一宮市にある整形外科・リハビリテーション科 森整形外科 院長の松村成毅です。しばらくブログの更新が止まっていました。実は3ヶ月ほど前に父が亡くなりました。以来、様々な感情が巡り、沈んだ気分で過ごしていました。先日、ある本を読んだことで、少し違った視点で父を捉えなおす機会となりました。たいへん私的な内容で恐縮ですが、今回は父のことを振り返りたいと思います。父は生前、このブログを楽しみにしてくれていたようです。

私にとって、父はとても怖い存在でした。褒められた記憶はほとんどなく、常にダメ出しばかりされました。亡くなる直前も変わることはなく「お前は何も分かっていない」「お前の考えは間違っている」そう頭ごなしに言われるたびに、どうせ自分の考えを言っても分かってもらえないのだと思い、いつしか父に本心を打ち明けることはなくなりました。父から何か言われたら「はい、わかりました」と言っておけば丸くおさまるからです。自信家の父からすると、私はずいぶん頼りなかったのでしょう。私も父に理解してもらうことを諦めればいいのですが、やはり子供は親に認めてもらいたいものなのです。

父は2021年8月に大腸癌と診断されました。すでに手の施しようがない状態で、余命3ヶ月と宣告されました。父は診断を聞いた時、とても前向きでした。気丈に振る舞おうとしたのか、状況が把握できていなかったのか……。私はというと、CT画像を見た瞬間、これほどまでに酷い状態なのかと、事態の深刻さを把握しショックを受けました。余命3ヶ月とはいえ、いつ急変するかわからない。私は後悔しないよう、父とのわだかまりを解こうと決心しました。

けれど、そう簡単にはいきません。それまで父からやさしい言葉をかけられたことはありませんでしたし、私からかけることもなかったのです。関係を簡単に変えることは難しく、しかし限られた時間からくる焦りもありました。父は自慢の精神力で、3ヶ月と宣告された余命を、なんと1年8ヶ月持ちこたえました。

時間を与えてくれたのです。父と2人の時には、ぎこちなくとも父への想いを伝えようとしました。何か変わるかと期待もありましたが、やはり父からのやさしい言葉はなく、出てくるのは私へのダメ出しでした。後に、私のことを自慢の息子だと言っていたと母から聞きました。

私にすればとても怖い父でしたが、一方でとても社交的で饒舌、そして縁を大切にするマメな人でした。人見知りで大雑把な私とは対照的な性格です。友人に父を紹介すると、ほとんどの人が「優しくていいお父さんね!」と言いました。そうなのです。父は人前では常にニコニコしていました。そこがまた、私からすると理解できませんでした。しかしそれも父の一面だったのです。

私が知っている父もいれば、私が知らない父もいる。私が見ていた父の姿は、家族という立場からだけです。家の外では社交的でありながら、息子に対しては不器用であっただけ。そんな気がします。父は、家族の私にもわからない父の人生を懸命に生き切ったと思います。そんな父にこう伝えたいと思います。「よくがんばりました」と。関係はどうであれ、私を育ててくれたことへの感謝とともに。

「よくがんばりました」私が人生を終えるとき、誰か1人でもそう言ってくれたら、私の人生は報われる気がします。そして、ずっと捨てられず執着していた、父に認められたいという思い。どうしても捨てられなかった執着は、それだけ私が長い年月をかけて大切にしてきたものだったのだと思います。そんな自分にも「よくがんばったね」と言ってあげたいです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
最後に、冒頭でお伝えした父との関係を違った視点で捉えるきっかけとなった本をご紹介します。


『よくがんばりました(喜多川泰 著|サンマーク出版)』

『よくがんばりました。(喜多川泰 著|サンマーク出版)』

理解し合えなかった父と息子に起こる奇跡のお話です。喜多川泰さんは、以前もこのブログで触れたことがあります。よろしければこちらもご覧ください。

関連記事:喜多川泰さんの講演


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